CASE事例紹介

  • 2022.06.22
  • Chain-G

本当の適材適所とは

 前回も書きましたが、厚生労働省が、「予測のつかない不透明な時代となり、自らのキャリアは自らがデザインして、実現して行く必要がある」といった主旨のことを発表したのは、もう20年前になります。会社や人事部の言いなりになるだけでなく、自らのキャリアは、自らの意志で、自己責任に於いて、会社とも話し合いながら決めて行くことが必要であると。

 

加えて、目標設定のように、自らやりたくてコミットした目標だからこそ、やる気になるのと同様、社員一人ひとりが自らのキャリアにコミットしてこそ、生き生きと仕事をし、会社全体もより活性化するのでしょう。ただ、どこまで実現できているのでしょう。

 

 私は、米国系の企業の日本法人にいましたが、アメリカ人に聞くと、だいたい学生時代から何をやりたいかを考え、大学も関連する専攻を選ぶようです。米国本社の人事担当者は、だいたいHuman Resource Managementを学んでおり、私がEconomics専攻だと言うと、不思議そうな顔をされました。

 

 採用に於いても、米国では、新卒・中途の区別はなく、即戦力が求められます。大手企業の場合、特に新卒に対しては、入社試験を通過した者のみ、6か月間のインターンシップに参加させ、私がいた企業の場合、7割が入社、3割が、会社または本人の理由で入社に至っていないとのことでした。

 

 入社後も、自分自身の興味関心、または家族のため(収入アップ)に、転職もすれば、再度、大学や大学院に行って、勉強し直すことも普通にあります。それができるには、まさにジョブ型雇用であり、米国では、大昔からやっていることなんですね。

 

 だからと言って、すべてアメリカの真似をする必要はありません。これから本気で日本的「解」を試行錯誤しながら見つけて行けば良いと思います。本当は、若いうちからその会社に合うか合わないかを、会社と従業員が双方確認し、場合によっては、よりマッチする企業にハッピーに転職することを、会社としてもお手伝いできれば良いのだと思います。会社を超えた適材適所です。そうすれば、50歳代になってから、持っている技術が陳腐化して使えないとか、リスキルもできないなどということを理由に、早期退職という、人生100年時代に逆行するような方法を取る必要はなくなりますね。

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