- 2022.08.02
- Chain-G
評価者トレーニング
その昔、職能資格制度では、能力考課、成績考課、情意考課の3つの観点から人事考課が行われました。
能力考課は、本人の等級に要求される職務遂行能力が期待水準を満たしているか否かを、仕事のアウトプットから分析的に考課するものです。
成績考課は、その期に与えられた役割や課業別遂行度(仕事の質量)が職務基準に照らしてどうであったかを考課します。
そして情意考課は、職務遂行に対する本人の意欲、執務態度が考課期間中どうであったかを考課します。能力が高くても、やる気や仕事への取組み姿勢に問題があれば、期待される成果を上げることはできないという考え方です。
その当時、日本生産性本部が、職能資格制度大家の楠田丘先生監修のもと、ケーススタディのビデオを何本も作っており、私も一時は、毎年新たなビデオを会社で購入し、管理職に対する「評価者トレーニング」を行っておりました。
ケーススタディですから、ドラマ仕立てに作成された職場に出てくる何人かの職務行動をS、A、B、C、Dの5段階評価で、評価者による予想以上の評価のバラツキが出てくるのです。
「公正さ」という観点は、大義名分的には必要であり、そういう意味で評価基準は必要だとは思いましたが、所詮人間がやること、評価のバラツキをなくすのは無理だと悟りました。
一方Job型の場合はどうなのでしょう。あらかじめ各Jobへの期待を Job Description という形で明確にし、その内容について会社、上司と本人が合意し、報酬もJob毎のマーケット水準で設定されるとなると、もはや社内における「公正さ」という観点は弱くなるのかもしれませんね。ここは、Job型を導入されている企業の皆様に、是非お聞きしたいところです。
人が人を評価する、AIがどこまで代替できるか存じませんが、採用面接も所詮、人が人を評価するわけですから、上手くいかないことがあっても、あまり落ち込まないことが肝要かと存じます。